非常にレビューしにくい作品です。
まずサンプルCGからしても、四肢欠損のドールであり、それだけではとても万人には受け入れられないものでもあるからです。
しかも、黒髪でセーラー服、これはドール趣味を持つ人間としても、あまりに地味すぎて印象に残らないのです。
ですが、この作品を隅々まで見て悟りました。
この作品はまさに幽玄の美というものを体現しています
破壊されたドールには何の価値もありませんが、もしそれを「美」に昇華させることができたとしたら、それは不変なる存在になるでしょう。
エロスや文書は単なるうつせみにすぎません。
幽玄、というと抽象的すぎますが、それはつまり、日本古来の精神観念に非常に近いものです。
もし、あなたが破壊されたドールを哀れに思ったり、手足を失い欲界に堕ちるドールの気持ちを感じとったとするならば、それはこの作品の狙いが成功した証であり、この作品が単純なヌキネタでも、裸婦絵といったものでもないという証明にもなります。
これはそれらを超越した、まさに芸術といっていい存在です。
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