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「プリンセスサクリファイス~供犠姫フィーナの冒険~」 的鑒賞
2013年11月17日 コチップ 先生/女士
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評論選擇的類別:
個人的に強調したいのは3点で、まず主人公の心が最後まで折れない事。 主人公は道中散々な目にあいますが、最後まで「堕ち」ず、一時的に快楽に流されても、最終的には踏みとどまって「強制的」「やむを得ず」淫行に走る立場を貫きます。 自発的にエロを求める姿がないのは物足りないと受け取る方もいるでしょうが、いわゆるヒロインが堕ちきった状態の「つまらなさ」を嫌う向きにはこれは好印象ではないでしょうか。 尚、終盤これが意識的になされた描写だと気付かされてはっとするかもしれません。 2点目はファンタジー世界観の真面目さ。 エロゲにとって物語や世界設定なんて描きたいシチュに都合がつけばそれでよいと割り切るゲームも多く、それはそれでやる方にも気楽さはあるのですが、本作は違うようです。 作中で示される神話・伝承の類は実在のそれのような重みがあり、世界に立ち込める暗さと、そこからくる退廃的情景に説得力を与えます。 あるバットエンドなんて、SF大作の最終局面みたいでゲームオーバーなのに感動しました。 トゥルーエンド後、エロ方面の方向性以上に世界観・ストーリーゆえに続編を期待してしまった数少ないエロゲーです。 最後はメタな話ですが、イベントの数を効率的に作る技量の巧みさ。 ゲームなど自作経験がある方にこそ感心を誘う部分と思います。 同じ立ち絵等の素材やその差分に別のテキストをあてて別イベントを作ったり、また一見まったく違う選択肢が結果的に同種イベントに帰結する・展開に整合性を持たせるといったルート構築がかなり冴えまくってます。 とにかく上手いので「使い回し」とか「かさまし」という聞こえの悪い言い回しが頭に浮かびません。全然気にならず単純に楽しみが増えてやったーって感じです。 創作性は細部の新規制ではなく、組み合わせの妙にこそあるのだと教わるような心地です。
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