Report review

本作は有名なフリゲー『パトルの軍事博物館』の日本戦争ゲーム開発の作品だ。故に中身はリアル系の戦術SRPGに仕上がっている。

特筆すべき点は、ステルス性と「ソ連兵は畑からとれる」をゲームに組み込んでいる点だ。如何に強力な戦車砲と言えども敵を発見していなければ使えない。砲撃で敵のステルス性を下げると可視化し攻撃を命中させることができるのだが、どのタイミングで砲撃を行うのか?側面か?背面か?と攻撃一つでも考える要素が多く戦術面での幅の広がりが凄い。

さらにZOCの影響から、歩兵を捨て駒にする人海戦術が可能だ。これが「ソ連兵は畑からとれる」を体現しており、殺さないSLGではなく、如何にユニットを捨て駒として大局的に運用するか?を味わうことができる。ユニットが撃破されようとも代わりは幾らでもいるのだから、前述のステルス性と併せて、戦術に組み込むことで、他のSLGとは異なるソ連独自のゲーム性を楽しめるだろう。

システム面以外に目を向けるとUIも非常に使い勝手が良い。移動後、行動不可能なユニットであれば自動的に待機にカーソルが合わさる、リセットすれば、即座にオートセーブから開始、ボタン1つでターン終了と細やかな気配りがなされているのだ。操作量が多くなりがちなSLGとしては嬉しい配慮だろう。

18禁ゲームではあるが、全年齢版も同梱されているので、エロが苦手な方も是非、遊んでもらいたい作品だ。