本作は、趣味工房にんじんわいんさんが手がける漢字一文字シリーズの第五弾、東方地霊殿の音楽のオーケストレーションを中心にしたアレンジアルバムです。
サークルさんが東方のアレンジを始めるきっかけとなったらしいこのシリーズ、前作から5年を置いての発表になったとのことですが、サークルさんが設えている型番ではHACW-TA1034。34作目の作品になるようです。初出は2015年末ですかね。
ボーナストラックを含む17曲57分の内容は、かなりオーソドックスです。クラシカルな面と現代的な面のバランスが取れていて、既作で言いますと妖々夢のアレンジアルバムである第三弾「麗-RAY- 月天夜姫」の系譜になるかなと。
ハルトマンの妖怪少女のアレンジである「認知欲求の果てにあるもの」などを聴いていても思うのですが、全体的にかなりシンプルにアレンジされている印象のアルバムですね。
既作に見られたハードロックやテクノのテイストもやや抑えめで(おそらくエレキギターの活躍頻度はかなり減っているのではないかと)、かなりクラシカルな編曲によっているような感想を持っています。
ただ、その中でも現代的なサウンドのピアノが特徴的な「土蜘蛛の罠」や、どことなく大陸の薫りの漂う弦楽がメロディを奏でる「渡らずの橋を渡れ」など、これまでのシリーズには見られないテイストも見られています。
シリーズの進展、あるいは作曲年代の違いによってカラーに変化が出ているのは興味深いところでした。
コスパ的にはちょっと気になる部分もありましたが、今回も楽しませていただきました。
シリーズのファンの方にお勧めする形になりますが、今回も良いアルバムです。ダークでいて壮大な地霊殿の音楽世界、お勧めですよ。
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