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「雨のち…」 へのレビュー

オススメ! 愛おしくも儚い。

2016年07月07日   Tikuwabu さん

このレビューは参考になった x 3人


 本作は、雨の日に湖に落ちた「あなた」を見知らぬ少女が助けてくれて、でもそこは廃屋、ガスも使えぬために風呂も炊けず、濡れた体を拭く布巾すらない、そんな状況で彼女は献身的に体を温めてくれると、そういう話になっております。
 雨降りしきる中で、そうした事柄にどうも無知であるらしい純朴な少女が熱心に人工呼吸で熱を送り、体に口付けて温めてくれる。その献身性とは裏腹な淫靡さは、作品を癒しと淫らさで染めてくれています。

 いやはや、けだし名作ですね。名演であり、名脚本であり。非の打ち所がない逸品でした。しっとりとした和の質感が、大いに癒してくれました。
 短い中にも濃厚なドラマが挿入されていて、彼女という人間の重みを感じられる。その献身性、その少し悪戯っぽい好奇心、その愛らしさ。その質感は、テキストにおいても、CVを担当されたゆきねさんの演技においても素晴らしく表現されているのです。
 その巧みさはエロスの面でも表れています。緩急が本当に巧みで、こちらの昂りとピタリと合っている。目を瞑って聴いておりますと、本当に疑似体験しているかのような心地がありました。
 雨の音のような持続的な雑音はトランス状態に入りやすい素材ですから、催眠慣れしている方ですと、催眠的な感覚も得られるかもしれませんね。(ちなみに私は似たような肉体的な反応がありました。これもまた描かれる世界のリアルさゆえのことでしょう)

 ただただ脱帽するしかない一作です。本当に素晴らしかった。SEの有無は一長一短であり、甲乙つけがたい。どちらも収録してくれている心配りもまたありがたいものです。
 雨の季節に合わせてサークルさんは販売されたのでしょうから、ちょっと視聴するタイミングがズレてしまいましたが、夏の納涼にも向いていることでしょう。
 強くお勧めしておきます。本当に、お勧めです。

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