舉報鑒賞

女性主人公・一人称視点で描かれたRPG。

初めてプレイする際にはレトロなグラフィックと音楽に少し驚きましたが、小さい頃にこれくらいのゲームを遊んでいた自分はすぐに気にならなくなりました。

マップは舞台となる村と近隣のダンジョンのみで特に冒険に出たりするわけではありません。
プレイ時間はのんびりプレイして4時間かからない程度。自分はボリューム面での不足は感じませんでした。

とりわけストーリー面とゲームバランスに感銘を受けました。
バランスは、強い敵は強く、弱い敵は弱く感じられるしっかりしたものです。レベル上げについては売春でも昔ながらの魔物狩りでもいいのですが、お金を稼いでよい装備品を手に入れることで大分楽になったりします。
主人公の動機は主としてお金を稼ぐことなので、この辺のシンクロのさせ方もうまいと感じました。

主人公は「ですます」調の丁寧な言葉で話す女の子ですが、このゲームでは冒頭で彼女が売春の道に踏み出した「後」、プレイ本編での心情が細かく描かれています。
冒頭だけだと「自分語りが長い系」の主人公に感じられるかもしれませんが、僕はプレイを進める内に共感できるようになっていきました。

ビッチ化するわけでも「いや、やめて」とひたすら抵抗を見せるでもなく、商売としてこなしていく描写がとても巧みです。
ネタバレになるので書きませんが、終盤の盛り上げ方もとても楽しめました。

女性主人公のシリアスな語り口が好きな方や、レトロな画面や音楽、淡いタッチのイラストの雰囲気が受け容れられる方には、とてもオススメできます。
逆に、明るいコメディタッチの雰囲気が好きな方、セル風に塗られたCGがたくさん見たいという方にはあまりオススメできないと思います。