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「優しい先輩の甘い罠」 へのレビュー

オススメ! 絶望的な破滅

2014年03月23日   taiyaki さん

このレビューは参考になった x 11人

レビュアーが選んだジャンル :

これより強烈な破滅の快楽と絶望、トラウマを与えてくれる色仕掛け物が他にあるのでしょうか

自分がぐしゃぐしゃに壊されていく展開自体が非常に強烈で、特に焦らされた末に薬で思考力を奪われた状態で快楽を餌にされ、先輩の妹に言葉責めと乳首責めを、先輩にフェラチオをされながら正気を失ったような状態で自分自身の絵を真っ黒に上塗りするという四章は、自身のアイデンティティに直結する絵を描くという行為そのものと全身全霊を注ぎ込んだ絵の両方を自分自身の手で取り返しのつかないぐちゃぐいちゃの状態に破壊していくということで圧倒的な絶望と破滅と快楽を感じられ非常にオススメです。
「破壊される快楽」というものが好きな方はこの部分だけでもこの作品を買う価値があるのではないかと思えます。

また、少年の破滅を不可逆のものにする手順がかなり丁寧に作り込まれていて
元々孤独で消耗していた彼に好意的に擦り寄って薬と快楽で縛ることで思考力を奪い、欲情によって絵に集中できなくなる条件付けや自身への好意と依存、周囲への疑心暗鬼を刷り込んで後戻りすることも救われることもなくなるように「準備」した後
才能、作品、プライド、名誉と彼を支えている物を何もかも徹底的に破壊しつつ、作品や技術等奪う物を奪い、絵を描くという行為を汚した上で絵を描くことへの恐怖をも仕込み、
最後に何もかも失いかつ何もできなくなった彼を「キミは私が好きで妄想して夢見ちゃったんだよ」の一言で捨て挙句ストーカー行為を働かれていると触れ回るという展開はそれ自体が本当に見事です。
助かる道を探しても何も見つからないその凄まじさは破壊される過程における快楽と最後の絶望を本当に強めてくれて非常に印象に残る作品でした。

他の方も書かれているように台本が付属していないことだけが残念です。複数人に嘲笑されるなどで聞くのが辛い所もあるしお金を出してでも欲しいのですが…

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