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「ケンタウロスはひとりじゃデキない」 的鑒賞

オススメ! 基本的に人間主体にできている社会で愛を育むモン娘

2017年01月25日   穂積 先生/女士

このレビューは参考になった x 4人

唐突に恥ずかしげもなく個人的な趣味を吐露しますとケンタウロス娘が大好きです。
なぜ好きかと言うと、人間の男よりも立派な体格で、走れば速いし蹴れば強い運動神経を持ち、神話のイメージに由来する高貴な気性が凛々しい、など憧れの眼差しを集めるに値する要素がテンコ盛りでありながら、事実上は不便な体である不条理さが良いのです。
現代社会に適応するには無駄に体が大きいし、下半身の後端には自分で手が届かないし、恋する乙女としては意中の彼よりも背が高くなってしまう高身長コンプレックスまで兼ね備えていて、デメリットも数えだすと少なくない種族なのです。
その欠点の中でも女の子のデリケートな部分をクローズアップしたのが表題作です。
その他の収録作品も全てモンスター娘なのはもちろんの事、全てが現代社会を舞台にしています。
女の子の種族だけがファンタジーで、それ以外はシビアなオフィス風景や有りがちな学園生活を背景とすることで、モンスター娘が軋轢に苦悩する様を描写しています。
人ならざる下半身を負い目に感じて恋に奥手になってしまった娘、実際問題として幅を取る身体で窮屈な思いをしていた娘、様々なケースの弊害が描かれています。
そんなモン娘達が自嘲する姿は可愛く、その弊害すら受け入れてくれた男に対して見せる笑顔は最高に愛を感じます。

* 為必填項目)

緣由*