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「体重増やして物理で勝てばいい」 的鑒賞

肥満女子愛好家にしか伝わらないカタルシス

2017年11月26日   穂積 先生/女士

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漫画形式ではなく、ノベル形式です。
と言っても、1ページごとに約半分が挿絵でもう半分が縦書きの文章になっているので、絵の量は漫画形式に引けはとらない印象を受けました。
物語は厳密に考えてしまうと、色々とツッコみどころがあります。
例えば、機動力の著しい低下で回避が不可能になったのを鎧の防御力でカバーしていることになっているものの、敏捷性が激減しているからこそ鎧の隙間を狙われたら対処できないはずです。
他にも、大剣を操り一撃必殺型の戦法で敵を倒しているらしいのですが、運動性の減少は命中率の低減にも通じるようにも思え、敵が接近した時に都合良くカウンターを決められるかは疑問です。
しかし、そんな細かいことはどうでもいいのです。
本作は男勝りな女戦士が体重に勝機を見い出し、日常生活に支障を来たし、遠出する討伐依頼が難しくなりながらも、武闘大会と言う限られた環境なら強さを発揮して自身を証明する、サクセスストーリーに萌えることにこそ本懐があるのです。
その中でも最も濃いエッセンスが「醜く変わっていく自分の体に乙女の部分が傷つく」葛藤です。
誰に指図されたわけでもなく、自分で選んだから責任転嫁できず、悲しさと悔しさをにじませつつ、それでも勝つために太ることを止めない姿勢は「自発的肥満化」の醍醐味です。

* 為必填項目)

緣由*