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「くのいち飛鳥 ~吉原遊郭奇談~」 へのレビュー
2019年04月26日 味噌ズッペ さん
このレビューは参考になった x 1人
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タイトルからは想像もできなかった重厚なシナリオで吃驚しました。 というのも、通常エロゲーにおける「くのいち」や「遊郭」の扱いというものは、 それこそエロエロな展開に持ち込むための設定であり舞台装置でしかありません。 しかしながら今作はそういった上っ面の設定に留まらず、史実における吉原の独立性、 「異界」的側面をシナリオに巧みに盛り込み、詳細な心理描写で実に見事にキャラクターの行動に説得力を与えています。 これには主人公(ヒロイン)の性格も非常に大きく寄与しています。 主人公である飛鳥は、忍としても女性としてもまだまだ半人前の存在です。 山育ちでどこか芋っぽい彼女の視点を通すことで、プレイヤーは吉原や花魁といった存在の異質さ、 魅力をよりリアルに感じ取ることが出来るでしょう。 また、登場するキャラクターが男女や敵味方問わず魅力的です。 忍──くのいちであるのに純朴で非情に徹しきれない主人公の飛鳥に始まり、 彼女をサポートする者、敵対する者、彼女の知見の外で暗躍する者たち… それら全てが大なり小なり己の理に沿って動いており、それらが破綻なく物語に組み込まれ、 クライマックスに向けて収束していく様は圧巻で、ライターさんの力量に思わず唸ってしまいました。 さらに声優さんたちの熱演。ヒロインは勿論のこと、花魁の時代がかった魅力的な台詞回しや敵役の酷薄な性格など、実に手堅く熱っぽく演じておられて、ああ流石だなあと感じ入りました。 勿論、エロさも折紙付きです。 豊満な身体を持ちますが性的に無知でまだまだ外見も性格も野暮ったいヒロインが徐々に喘いでいく様や、 性技に熟達した花魁たちの色っぽさ、囚われた女性たちに施される苛烈な責めなどバリエーション豊かなシチュエーションが揃っており、非常に満足でした。 ダラダラと長文を書いてしまいましたが、 エロいだけでない力の入った名作です。是非
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