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陶磁器の様な質感をもった、女性のカラダを
繊細に描く”中村葛湯”先生の前・後編的な二
本を含む、短篇八本が収められた作品集。
印象的な収録作品は、小さいころから大好き
だった”友樹さん”と結ばれた”千夏ちゃん”な
「想い人」「from day to day」の二本。カ
ラダが結ばれたことで不安になる”友樹さん”
と安心感が芽生える”千夏ちゃん”を、巧みな
セリフ廻しから描きあげていました。
読んでいて感じたのは、ごくごく自然な、セ
リフ廻しの巧みさ。カラミに移るまでの会話
に違和感を感じさせないのは、特筆できるポ
イントだと思いました。また、絵柄も、女性
のカラダを陶磁器の様な質感を持って描いて
いて、強く印象に残りました。上質な、私小
説を読んでいる様な感覚に陥る、そんな一冊。