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現代の標準的なPC環境だとすこし起動に手間取るが、それをするだけの価値はある。
あちこちでBF物の名作と呼ばれる所以、それはシリアスながらどこか馬鹿らしいストーリーだ。主人公は多くを語らないが、代わりに夢魔との交わりや他の登場人物の言葉を通してプレイヤーは普段は考えないような性的な領域の深い哲学をしぜんとすることになるだろう。幸せ、快楽、欲望、自我……美しく可憐、淫乱な夢魔たちはただそのように生きているだけなのに、人間はどうしてこうも悩み、恥じらうのか。人間と夢魔とは、現実と夢とは、相いれないものなのか……。
小難しいことを多く語ったが、とにかく隅から隅までの密度が高い。サブクエストのようなものもありつつ、ちょっと頭をひねると気づく小ネタやパロディなんかもある。
戦闘もきちんと戦略を立てて、いかにうまくイかせるかというところに楽しみを見出せるようにもなっている。
ただ、BFものの宿命かもしれないが戦闘のテンポはすこし悪い。また敵の強さのバランス調整が上手くいっていない箇所なども散見され進行に詰まってしまう場合もあるだろう。その場合はすこし過剰にレベルを上げる、アイテムなどを使って突破するなどして解決できるので安心してほしい。
また公式パッチのほかに有志によってMOD開発がされており、敵のバランス調整やバグなどを直すものから戦闘スキルを増やしたり便利機能を解放するものなど多岐にわたる。導入には苦労が要るが、このゲームをより一層楽しめるのでクリア後などに導入してみることを奨める。

ちなみに通しのプレイ時間はじっくり進めてだいたい30時間といったところ。急げばもう少し早いだろうが、かなりボリュームがあることは保証しよう。
とにもかくにも、1620円の価値は十分にある。買うべし買うべし。